カピバラ温泉
もう 40 年程前から伊豆シャボテン動物公園で冬の間に行われているもので、
今や「伊豆の冬の風物詩」とまで称されるようなっています
カピバラをどうやって温泉に入れるのだろうと不思議に思いながら
見ていると、飼育員が湯場を洗い終える頃から、既に何匹かが入り
始めていた。やがて「ぼくたちかぴばら」というテーマソングが
大音量で流れ、お湯を張り始める時には、もう十数頭が入って待ち
構えています。
湯が満たされる頃には、まさに芋の子を洗う状態です。
幼いカピバラは水の中でも仲間とじゃれて遊んでいますが成体の
カピバラは微動だにもせず鼻まで浸かっています。
お湯に浸かってボーッと寛いでいるカピバラを見ていると
芸をするわけでもない、いや動くことすらしない、そんな動物に
人々はどうしてこんなに心ひかれるのでしょう?
大上段に構えて言うなら何もしない、ただそこにいるだけの
存在そのもの、つまり
「非生産的な存在」
「評価経済から自由である存在」
が「許される」のを見ることで得られる安心が癒しになるのではと思います
湯につかって「ぼーっとしている」カピバラを見ることで、何かを為さねばな
らない、 誰かと比較される(してしまう)毎日から解放される気持ちになると
感じるのは考え過ぎでしょうか
温泉につかっているカピバラは、まるで禅僧のようです。
カピバラ温泉は、カピバラ禅寺なのかもしれません。
そんな事を考えていると、 以前に読んだ仏教の話を思い出しました。
カピバラは、ブッダの説いた「時を超えて続く真の安楽とは、楽も苦も
追い求めない、平常な、動揺しない心を手に入れ」ているのかもしれません。
(佐々木閑『ネットカルマ』94頁)
とまで書くと冗談になりますが、それでもカピバラの泰然自若とした姿には
人の心を癒す力があるように思えます。
伊豆急踊り子号で熱海まで戻り、定宿でカピバラのように温泉を楽しみましたが
カピバラのようには長時間じっと浸かっていることは不可能でした
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